催眠術にかけたあと、催眠状態の深さが充分であれば、催眠現象を起こす暗示が少々下手でも成功することがあります。また、催眠現象を起こすための催眠暗示が巧妙であれば、催眠状態の深度が多少足りていなくても成功したりします。

当然のことながら、催眠を深くする技術と、催眠現象を起こす巧みな暗示テクニックの両方を持ち合わせている誘導者は極めて成功率が高いということです。

催眠の現象は「運動支配の時期」「筋肉支配の時期」「感情支配の時期」「感覚支配の時期」「記憶支配の時期」「幻覚支配の時期」といった、いくつかの段階に別れていて、どの段階に突入するときも、すべて巧妙に計算されたテクニックが存在します。

さらに、個々の現象ひとつ一つに対しても、すべて成功率を上げるための高度なテクニックが存在するのです。

●身体が自分の意思とは関係なく動く観念運動
●身体の一部または全部が金縛りのように動かなくなる硬直催眠
●悲しくなったり笑いたくなったり、好きなものが嫌いになったりする感情操作
●食べ物や飲み物の味を変える味覚操作
●痛みやかゆみをコントロールする感覚操作
●自分の名前が思い出せなくなったりする健忘催眠
●忘れていることを思い出す逆行催眠や年齢退行
●目の前にいる人を見えなくしたり、存在しないものがあるように見える幻覚催眠

上記は催眠誘導の際に起こす、いわば催眠術の定番とも言える現象なのですが、これらすべてに素人とベテランを分けるほどの巧妙なテクニックが存在します。

たとえば、催眠術師が序盤で頻繁に使う硬直暗示というものがあります。

「真っ直ぐに伸ばした腕が曲がらない」とか「まぶたがピッタリとくっついて上げることができない」などというもので、筋肉の硬直を誘発して行動を制御する暗示のことです。これを専門的にはカタレプシー現象といいます。

カタレプシーの誘発は、催眠誘導をスムーズに進めていくときにとても役に立ちます。しかし、カタレプシーの誘発に失敗すると、マイナス要素が大きく、誘導者に対する信頼が著しく低下してしまい、誘導が滞ることが少なくありません。

だから、技術のある誘導者は、カタレプシーの誘発を慎重に行い、失敗を避けるようにするのですが、高度な技術を持っている誘導者は失敗がほとんどありません。なぜなら、失敗しないテクニックを持っているからです。

「いま、まぶたが開かないと暗示を与えたら成功する」「いま、椅子から立てないと暗示をしたら失敗する」といったように、その瞬間に暗示を与えたら成功するか失敗するかがわかるテクニックを持っているのです。

こういったテクニックは、カタレプシーをかけるときだけに限ったことではありません。

身体が勝手に動く催眠、食べ物や飲み物の味を変える催眠、名前を思い出せなくなる催眠、幻覚が見える催眠など、催眠現象すべてに対して、暗示を与える前に成功するか失敗するかの推測ができる高等技術が存在するのです。

言うまでもなく、
YouTubeやテレビの催眠を見ていて、そのようなテクニックを使っている催眠術師はまず見つけることができません。

技術の高い誘導者は、当てずっぽうで、「眼が開かない」とか「握ったこぶしが開かない」などと、とりあえず暗示をかけてみて、被験者のかかり具合を確かめるようなことは絶対にしないのです。失敗したときのマイナスが大きいからです。

中には、とりあえずカタレプシーをかけてみて、うまく反応しなかったときに、「あなたは硬直暗示が苦手な人なんですね」などと、被験者のせいにする催眠術師や催眠の先生もいたりします。こういった名前だけが有名な先生から催眠を習っても、高度な催眠が身に付くことはないでしょう。
 
   
   
  催眠は基本的に安全なものですが、一部の無知な催眠術師たちが引き起こすトラブルもあったりします。

●年齡退行を行うときのトラウマに対する『除反応』
●痛覚操作(ペインコントロール)を行うときの『副産現象』
●催眠を解くときの『リカピチュレーション』

少なくても、上記に関する危険性は把握しておく必要があります。

催眠誘導研究所では、覚醒の際の『リカピチュレーション』は当然のことですが、『年齢退行』と『痛覚操作』は、きちんと指導を受けたのちに行うように注意を促しています。

なんと、驚くことに、『副産現象』を知らずにペインコントロール(痛みの操作)を行なっている催眠療法士たちも想像以上にたくさんいるのです。

そして、催眠から覚ますときも、余計な言葉を付け加えすぎて不十分な覚醒になってしまうことも稀にあったりするのですが、無知な催眠術師に限って余計な言葉を付け足す傾向があり、余計な言葉を付け足すことで催眠導入に失敗したり、催眠現象を起こせなかったり、覚醒が不十分になったりするのです。

催眠は、いろいろと現実離れした現象を起こすために、テクニックを勉強してその成功率を上げていくのですが、それに比例して危険性に対する配慮を知っておく必要があるということです。
 
     
   
  催眠誘導研究所のシーズンセミナーは、どの講座も実技練習での項目が、初対面の相手を安定した催眠まで誘導できるように、それぞれ一連の催眠誘導をセットで練習します。そして、この4月シーズンセミナーでは、導入部分に対し、催眠認識の誘発技法を学びます。

催眠認識とは、催眠を受けている人が、自分は催眠にかかったことを認識する現象のことで、催眠状態を素早く安定させるために有効に働く心理作用です。

催眠は、指が寄ってきたり、こぶしが開かなくなったら良いのではなく、そこに催眠が誘発されなければ意味がないのです。あなたがどんなに不思議な現象を起こしても、被験者の中で催眠認識が起こらなければ、安定した催眠状態に導くことはできないでしょう。

たとえば、催眠術師が「真っすぐに伸ばした腕はもう曲げることができない」と暗示をかけたとします。そして被験者は本当に腕が曲がらなくなりました。このとき、被験者の中で催眠認識が起きれば、速やかに催眠状態へと誘導して行けます。

しかし、腕が曲がらなくなっているにも関わらず、「確かに腕は曲がらなくなっているが、それがどうしたの?」といったように、催眠認識が起きなければ、被験者の意識は普段と変わらず、暗示されやすさも亢進していきません。それだけ催眠認識は催眠トランスを作り出すために重要な要素と言えるのです。つまり、催眠認識を誘発するテクニックを身に付ければ、成功率も必然的に向上していくというわけです。

そのほか、技法の種類によっては、雑音の多い場所でも有効に使える方法もありますし、小規模の催眠術ショーや演芸など、余興のようなもので催眠を使いたい人には使える技法がたくさんあると思います。

この講座の受講を希望される方は、下記のお申し込み方法に従い申し込みを行ってください。
 
   
   
     
 
日時 ・2024年4月20日(土曜日)13時より開催
受付 ・12時30分開始
場所 ・東京都武蔵野市中町2丁目1-15
会場 ・クリオレミントンハウス武蔵野1階会議室
時間 ・13時から17時まで
料金 ・44000円
講師 ・林貞年
連絡 ・東京オフィス 047-404-8961 ・本社 087-892-3156
 
     
   
     
 
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このワークショップのお申し込みは催眠誘導研究所の基礎講座受講済みの方に限ります
 
   
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